インフルエンサーマーケティングに潜む、5つの罠(前編)

インフルエンサーマーケティングの注目度と重要性が高まると共に様々な業者が増え、そして「こうすれば成功する!」と謳うサービス・パッケージ等も増加し続けています。その一方、「成功すると信じて少なくない予算を投じて挑んだものの、なぜか思ったような成果が出ない‥」という企業様が後をたちません。
御社は効果的にインフルエンサーやマーケティング予算を活用し、成果を生み出せているでしょうか?
今回は、インフルエンサーマーケティングを成功に導くための必須ノウハウとして「絶対にハマってはならない【5つの罠】」をテーマに、【前半】【後半】の2記事に分けて解説していきたいと思います。

5つの罠とは

それではいきなり結論です。インフルエンサーマーケティングの5つの罠とは、こちら。

罠1「有名な人、人気な人ばかりをキャスティングしてしまう」

罠2「UGCは増えているものの、懸賞アカウントだらけ」

罠3「掲載された投稿のトンマナと普段の投稿が違う」

罠4「投稿内容はインフルエンサー任せ」

罠5「予算がインフルエンサーマーケティング偏重」

以上5点が「よくある失敗事例」であり、絶対に予測・対策すべき5つの罠です。これらを十分に理解した上で「じゃあどうするか」という具体策を持って始めないかぎり、狙い通りの費用対効果を生み出すことはできません。
前半では、罠❶〜❸に関する詳細と対策方法について解説していきます。

罠❶ 有名人・人気な人ばかりキャスティングしてしまう

「フォロワー数が多い」
「雑誌やTVに出ている」
「他社も起用している」
このような理由でキャスティングをするのは絶対にNG!

影響力の高いインフルエンサーが拡散すれば一時的な認知は高まりますが、その認知は持続しません。それではダメなのです。

有名な方はフォロワー数が多く、芸能事務所に所属しているケースも少なくありません。当然、一人当たりのキャスティング費用が高くなりがちです。そんな”有名インフルエンサー”ばかりを起用しようとするとプロモーション予算の大半が割かれてしまい、おのずとキャスティングできる人数が限られてしまいます。フォロワー数が多いため投稿を見る消費者は多いわけですが、「一度投稿を見るだけで商品名を記憶したり購買意向が高まる」という方は極めて稀。

消費者の購買意欲を高めていくには、認知のレベルを高めていかなければなりません。
複数回にわたっていろんな場所で複数人のインフルエンサーの投稿を目に触れさせる必要があるのです。

罠❶の対策方法・チェックリスト


✅ 複数人キャスティングし、流行っている感を消費者が受け取れる状態を創れそうか?

✅ インフルエンサーのフォロワーには、貴社のターゲットとなり得る消費者が多いか?

✅ インフルエンサーに対して消費者が抱くイメージと、貴社が作りたいブランドイメージは同じか?

罠❷ UGCは増えているものの、懸賞アカウントだらけ

「UGC(=User Generated Content)をとにかく増やしたい」と考え、”インフルエンサープラットフォーム”や”ギフティングプラットフォーム”と謳うサービスに飛びつく企業様も多くいらっしゃいますが…ここにも罠が潜んでいます。

これらの”プラットフォーム”を利用しているSNSユーザの多くが、懸賞アカウントなのです。

懸賞アカウントに引っかかってしまうのは、性別、年齢、趣味・嗜好などの属性でプラットフォーム利用者を絞って依頼してしまうため。懸賞アカウントばかりに紹介されている商品のブランド価値が高まることなど絶対にありません。

本来UGCとは”企業が消費者にお願いしてあげてもらうもの”ではなく”自然発生的にSNSに投稿されたもの”。消費者自身が「自分が利用・体験したものをSNSにアップしたくてたまらない!」と考え行動したくなる状況作りが肝になります。遠回りに思えても、それが成功への近道となるのです。その道筋を示し、伴走してくれる専門家がいると安心ですね。

一方で、「まずはトライアルしてもらって価値を実感してほしい」という目的のもと、体験ユーザーを多く確保する手段としてプラットフォームを活用するのはOK。上述したような懸賞アカウントへの懸念は不要でしょう。

目的に沿ってインフルエンサーをキャスティングしているだろうか?

現在インフルエンサー施策を推進されているという方は、一度立ち止まって考えてみると良いかもしれません。

罠❷の対策方法・チェックリスト


✅ 商品ブランドの圧倒的ファンになってもらい、共創意識を生み出すこと

✅ 消費者に投稿してほしいビジュアルを企業側から大量に発信すること(その構図を消費者が見た時、ついついSNSにアップしたくなる状態を作ること)

罠❸ 掲載されたトンマナが、普段の投稿と違う

「日頃はファッションを中心に投稿しているインフルエンサーが、突然コスメの投稿をする」
「カップル動画が中心のTikTokなのに、違うテイストで商品紹介動画が上がる」
以上は分かりやすいNG事例です。

日頃、フォロワーとして注目しているインフルエンサーが唐突に”いつもと違う”投稿を行うと、消費者は「これは企業案件だな?」という違和感を抱くものです。その違和感は忌避感に繋がり、消費者は懸念を示して反応しなくなります。こうなると再生回数やリーチ数が伸びなくなるので、そのまま失敗となります。

「誰が何を言っているか?そこに違和感はないか?」これが消費者の視点です。
自社が伝えたいこととインフルエンサーが日頃から発信していることが一致しなければならない、ということを肝に銘じましょう。

罠❸の対策方法・チェックリスト


✅ インフルエンサーが得意とするジャンルと商品のジャンルは同じか?

✅ 自社が作りたいコンテンツと近い内容を投稿しているインフルエンサーを選んでいるか

✅ 近々で自社の競合商品などを”お気に入り商品”として紹介していないか?

後半に続きます

「この罠、ハマっちゃってたかも‥」と思い当たるような内容はありましたでしょうか?
後半記事では、残る2つの罠と対策方法についてお伝えして行きます。どうぞ引き続きお付き合いください!


参考になった!という方はぜひシェアをお願いします

インフルエンサー

公開日:2023.04.20