
選ばれる理由を一緒につくる。
旭化成ホームズと築くコミュニケーション戦略
戸建住宅ブランド「ヘーベルハウス」を手がける旭化成ホームズは、ここ数年でマーケティング活動のデジタルシフトにチャレンジしています。全国の展示場やオーナー邸を撮影した写真や動画、InstagramをはじめとするSNS運用、オウンドサイトのリニューアル、そのいずれもがブランド体験の「顔」となる重要な接点です。
そこで伴走パートナーとして参画したのがDynamoです。一貫した戦略とクリエイティブで、どのようにデジタル施策全体の土台を整えたのか。その裏側のストーリーを紐解くべく、旭化成ホームズの中村さん・徳田さん、Dynamoの森・泉山の4名に話を聞きました。
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中村勇貴氏旭化成ホームズ株式会社 住宅事業マーケティング本部 住宅事業戦略部 デジタルマーケティング推進室 -
徳田杏樹氏旭化成ホームズ株式会社 住宅事業マーケティング本部 住宅事業戦略部 デジタルマーケティング推進室 -
森越朗株式会社Dynamo 代表取締役 -
泉山由典株式会社Dynamo アートディレクター / デザイナー
制作物を納品して終わりではない。「枠組みづくり」から伴走する

まずは、旭化成ホームズとDynamoが取り組んできたプロジェクトの全体像を教えてください。
旭化成ホームズ 中村さん(以下、中村)
Dynamoさんには、旭化成ホームズのデジタル領域全般を一気通貫で伴走いただいています。
こちらの事業課題を踏まえて、データ分析から仮説立て・戦略立案を一緒に行ってもらい、そのうえでWebサイトやSNS、キャンペーンなど個別施策の設計・制作までご相談していますね。

Dynamo森(以下、森)
依頼当初は、デジタルマーケティング全般のコンサルティングとしてお声がけいただきました。
そこでまず、デジタル施策を実行するうえで基礎となる成果計測のルール整備から取り組みました。その延長で、現在は「来年度のWeb戦略をどうするか」といった上流のテーマを支援し、派生するかたちで、各施策にかかわらせていただいています。
具体的な事例としては、Instagramなどデジタル施策を展開する際に大切になる、写真や動画といったデジタルアセットを制作するプロジェクトや、オウンドサイトのリニューアルなどですね。
中村 直近での取り組みだと、『ヘーベルハウス注文住宅戸建住宅サイト』のリニューアルや、『OUTDOOR LIVING FAIR』のキャンペーンLP制作・運営などをご依頼しました。特に、オウンドサイトのリニューアルについては、写真のクオリティが高く土台が整っているため、高品質のアウトプットをしていただけていると実感しています。とはいえ、結構なんでも相談させていただいている状況です。

▲『ヘーベルハウス注文住宅戸建住宅サイト』(FVはDynamoで撮影したものではありません)

Dynamoに依頼する以前、デジタル領域でもともと抱えていた課題はどのようなものだったのでしょうか?
旭化成ホームズ 徳田さん(以下、徳田) 直近での取り組みだと、『ヘーベルハウス注文住宅戸建住宅サイト』のリニューアルや、『OUTDOOR LIVING FAIR』のキャンペーンLP制作・運営などをご依頼しました。特に、オウンドサイトのリニューアルについては、写真のクオリティが高く土台が整っているため、高品質のアウトプットをしていただけていると実感しています。とはいえ、結構なんでも相談させていただいている状況です。

Dynamo 泉山(以下、泉山)
そのため、最初のフェーズではいい写真や動画を撮ること以上に、「どんなワークフロー」で「どのレベルのクオリティを標準とするのか」という枠組みづくりに注力しましたね。
たとえば「撮影やデジタル現像の色味はどのトーンであるべきか」「広角をどこまで許容するか」「生活感と非日常感のバランスをどうするか」など、住宅事業だからこその細かい基準をすり合わせながら、一緒にトライ&エラーを繰り返していきました。
徳田
Instagram運用では、単に投稿をつくるのではなく、「このアカウントは誰に何を届ける場所なのか」という役割やターゲットの定義から入っていただきました。
そのうえでデザインガイドラインを整え、スチール撮影・動画撮影、フィード・リール・ハイライトといった投稿コンテンツのデザイン制作・編集まで一括でご依頼しています。
中村 社内で掲げている年間のKGIやKPIも共有しながら、運用面の伴走もセットでお願いしているので、ヘーベルハウスのブランドづくりと事業目標の両方に効くプロジェクトとして、横断的にかかわっていただいている感覚がありますね。
▲Dynamoと運用しているInstagramの投稿(リール)
議論の内容も、組織の資産に。何気ない言葉からも要望を汲み取る

戦略立案から実際のクリエイティブ制作までを一気通貫で担ううえで、Dynamoとして意識していることは何でしょうか?
森
会社として大事にしているのは、大きく2つあります。1つは「ストーリーを起点に考えること」、もう1つは「社内フィードバックの文化」です。
クライアントさまに何かアウトプットを出す前には、必ず弊社内でもフィードバックを回すようにしています。「この資料は何を伝えるものなのか」「このデザインはどんなストーリーに基づいているのか」を、まずは弊社内のチーム内で言語化しきる。
そうすることで、戦略のフェーズからデザインや制作のフェーズへの受け渡し時にチーム内での認識のズレが生まれにくくなります。
泉山
一番怖いのは「戦略と戦術が別物として走ってしまうこと」です。だからこそ、「このデザインは何のために必要なのか」という問いに立ち返ることを徹底しています。
自分の感性だけで決めるのではなく、クライアントさまのインサイトとすり合わせながら、社内で何度もチューニングする。そのうえで、「弊社としてのベストアンサー」を出すことを意識しています。個人ではなく、会社としての視点で最適解を探すイメージですね。
プロジェクトを進めるうえで、印象的だったDynamoの動き方があれば教えてください。
中村
Dynamoさんは、対話のなかで出てきた情報を自分たちの言葉に咀嚼したうえで、「こういう理解で合っていますか?」と仮説をぶつけてきてくれますよね。
こちらも「それは違う」と言いやすい距離感を保ってくれるので、単なる受発注の関係ではなく、「共通言語をつくる」プロセスを一緒に歩んでいる感覚がありますね。
あと個人的には、会話をちゃんとドキュメントとして残してくれることもとても助かっています。
森
毎週の参加させていただいているディスカッションでも、内容は欠かさずドキュメントとして積み上げています。というのも、「1年前、何を議論していたか」「どういう経緯でいまの結論に至ったのか」を後から振り返るタイミングはどこかでくると思うんです。
そのときに備えて、単にその場で気持ちよく話して終わり、ではなく、ちゃんと組織の資産にしていこうという気持ちが強いかもしれません。

実際の制作現場で印象的だったことはありましたか?
徳田
私は撮影現場でご一緒することが多いので、そこで感じているのは、「一度伝えたことが、ちゃんと全社に共有されて次の現場に反映されている」ことですね。
撮影の場で私が何気なく口にした要望が、次の撮影ではもう改善されている。しかも、別のメンバーと現場に入っても、同じ前提が共有されているんです。情報の共有とアップデートをすごく大事にしているんだな、と感じています。
泉山
そこは意識的にやっている部分でもあります。クライアントの方が現場でぽろっとおっしゃることには、その言葉に至るまでの考えや背景が必ずあるはずだ、という前提で受け取っています。
だからこそ、表層的に「言われたこと」をやるのではなく、「なぜそう感じるのか」「どこがしっくりきていないのか」を掘り下げて共有し、ドキュメントに残してチームに展開する。
そういう意味でも、「二度同じことを言わせない」ことは、無意識に大事にしているのかもしれません。
徳田
あと、Dynamoさんと一緒に取り組む前と現在では、写真のクオリティがまったく違います。いまでは、1枚1枚の角度や写り込む小物のバランス、質感の出し方まで、細かく気を配ってもらっています。
撮影現場で「これはやめてほしい」とお伝えしたことがあれば、次の現場ではもう改善されているので助かっています。
泉山
特にカメラマンのアサインメントやチームプレーにはこだわっていますね。美術的センスや技術力に長けているだけでなく、「ブランドやクライアントさまに寄り添って、最適な表現を共に追い求められる方」であることを重視しています。
回を重ねる毎により良い撮影になっていけるように、Dynamo・カメラマン・旭化成ホームズさまのワンチームでアップデートを続けてきました。その結果が、いまのクオリティにつながっているのだと思います。
▲チーム展開のためにDynamoで作成したドキュメント
足りないところを一緒に潰していく。伴走パートナーとしての価値と当事者意識
Dynamoと一緒に取り組みを続けるなかで、社内の反応や変化はありましたか?
中村
社内からの「疑問の声」が減っていると思います。以前は、デジタルクリエイティブを見た人から「これってどうなの?」「こうしたほうがいいんじゃない?」とコメントが飛んでくることがよくありました。
それは裏を返せば、「なぜこのクリエイティブになっているのか」というストーリーが十分に共有されていなかった、ということでもあります。
でも、いまはDynamoさんと一緒に議論したプロセスが言語化されているので、「この考え方で進めています」と説明できます。その結果、社内からも安心して任せてもらえているのではないかと感じています。

戦略立案から実際のクリエイティブ制作までを一気通貫で担ううえで、Dynamoとして意識していることは何でしょうか?
森
私たちだけの力ではなく、旭化成ホームズさん側のリソースがしっかり割かれているからこそですが、「足りないところを一つずつ潰していく」感覚はずっと意識しています。
写真などの素材が足りなければ、撮影から入る。紙チラシのデザインに揺れがあれば、テンプレートを用意する。オウンドサイトの運用に課題があれば、ガイドラインを整える。
そうやって全体を俯瞰しながら、「どこを直すと一番効くのか」を一緒に考え続けることが、長期的なおつき合いにつながっているのかなと感じています。
徳田 Dynamoさんは「媚びないけれど、ちゃんと気をつかってくれる」バランス感覚がありますよね。
中村
そう思います。事業会社のマーケティング担当としての視野の狭さをいい意味で指摘してくれたり、「いまのマーケティングはこういう流れですよね」とか「それは少し視点が偏っているかもしれません」とか。
ときには、私よりも当事者意識が高いのではないかと感じて、嫉妬するような瞬間もあります(笑)。でも、それくらい「自分たちの事業の一員」として物事を考えてくれているんだな、という実感があります。

森
こちらとしても、「何がしたいですか?」とだけ聞いていても、お互いにとって良い答えにはならないと思っています。ですから、「私たちはこう思うんですけどね」と自分の考えを先に投げることも多いです。そこに対して「いや、それは違う」と返してもらうことで、議論が深まっていく。
結果として、場の空気が少しピリッとする瞬間もあるかもしれませんが、それこそが伴走していくパートナーとしての価値だと考えています。
「ブランドとして何を語るべきか」を一緒に深掘りしていきたい
今後、旭化成ホームズとDynamoで挑戦していきたいことを教えてください。
森
これまでご一緒してきて、まだ私たちも発見しきれていないブランドの価値やストーリーが、現場の方々のなかにたくさん眠っているはずだと感じています。
それらを丁寧に掘り起こし、外に伝わるかたちに翻訳していく。そうした「価値づくり」の部分で、これからもDynamoとして貢献していけたらと考えています。
泉山
自分は「価値あるブランドだからこそ、より一層、選ばれる理由をつくり上げていきたい」という想いが強いですね。たとえば、展示場の写真やSNSのクリエイティブなどにも紐づくデジタルクリエイティブの分野は、一度完成したら終わりではなく、毎回少しずつアップデートしていくものだと思っています。
私たち自身もレベルアップしながら、「ヘーベルハウスらしさ」を視覚的に体験して感じてもらえる表現をこれからも模索していきたいです。
徳田
デジタルの世界はこれからも変化し続けますし、SNSの領域もやるべきことがまだまだたくさんあります。
展示場や建築写真は、お客さまにとって最初の接点になることも多いので、そのクオリティは引き続き向上していきたいですし、そこから派生するコンテンツ活用も一緒に考えていきたいですね。
新しい施策にチャレンジするときも、「Dynamoさんがいれば大丈夫」と思える安心感があります。これからも長期的に、一緒にブランドを育てていけたらと思っています。
中村
オウンドサイトのリニューアルは、2025年秋にひと区切りを迎えましたが、あくまで「フェーズ1が終わった」に過ぎないと考えています。
フェーズ1では見た目や構造の整理。これからの進めるフェーズ2では、お客さまに届けるべきメッセージやコンテンツをどう開発していくかが本番だと思っています。
営業・設計・マーケティングなど、さまざまな部門の声を拾いながら、「ブランドとして何を語るべきか」を一緒に深掘りしていきたいですね。

- Your Game Change.


